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光熱費の安い家とは(2)

2015.06.02

3条件が揃わないと光熱費は安くならない
「光熱費の安い家」について、3つの異なる主張がネットで検索できてしまう理由。
それは、「光熱費が安い家」を実現するための条件は1つでないからです。
 
つまり、光熱費の安い家を建てるには、以下の3つの条件が必要です。
1)建物の性能
2)設備の性能
3)工事の確かさ

ここまでは、 前回 もご説明しました。
 
もう少し詳しく説明します。
 
1)は、暖房費に大きく影響します。断熱・気密性能が悪いと、暖かい空気が建物からどんどん失われていくからです。災害でエネルギー供給が止まってしまい、設備が使えないときに特に実感できる差となります。この建物性能は設計性能として数字で表現できます。
 
2)は、設備の消費エネルギーを減らすことによって光熱費を下げるというものです。電気温水器の代わりにエコキュートを使えば電気代が大幅に安くなります。HEMSと太陽光発電を導入することで、電気の無駄遣いが減り、しかも売電によって電気代が大幅に安くなります。身近なところでは、LED電球もそうです。この設備の性能は、カタログに一定の基準で表示されているものが多く、比較しやすくなっています。
 
3)は、1)2)と密接な関係があります。建物や設備が立派でも、工事がいい加減だとその性能を発揮できないのです。高性能の断熱材を使っても、その入れ方がいい加減ですき間が空いていたらそこから熱が逃げていきますし、室内の湿気を逃す施工をしていないと、断熱性が良くても空気が結露して断熱材にカビが生え、後で大問題になる可能性もあります。設備でも、太陽光発電パネルの施工がいい加減なために、シミュレーションの発電量を大きく下回ってトラブルになった例もあります。

_MG_3608s.jpgのサムネール画像 十勝2×4協会が毎月行うフレーミング検定。施工技術のチェックを会員で行い、施工改善のアイディアを出しあうなど、協会全体のレベルアップを考えて行っています。
 
言い換えれば、1)2)は「こういう性能の建物・設備で作りなさい」という設計内容です。実際にその性能を確保するためには、しっかりした工事が伴うことが必要です。

つまり、1)~3)全てが揃わないと光熱費の安い家は実現できません。
 
 
ネットでの主張が極端なわけ
ネットで検索したブログやホームページの内容が極端な主張に見えるのは、先ほど説明した1)~3)のうち、1つの条件しか取り上げていないからです。「断熱性能を上げても電気代は安くならない」という主張のブログは、工事技術の違いで光熱費が変わるかということは書かれていません。「住宅会社の言いなりになってスペックを上げすぎないように」とは書かれています。なぜなら、お施主さまが書かれているので、工事技術については善し悪しをジャッジできなかったからでしょう。

実はこの方、温暖地ですが2×6の高性能住宅にお住まいです。年間光熱費も公表されていますが、オール電化で年間9万円弱とさすがに安い。本来なら、この断熱・気密性能の力をアピールしていただきたいのですが・・・
 
 
大切なのは3つのバランス
工務店、ハウスメーカーの役割は、1)~3)のバランスが取れた家を建てることです。このバランス(さじ加減)が、プロのノウハウであり、専門家である理由です。大工のウデがいくら良くても、建物、設備の設計性能が悪ければ意味がありません。建物性能が良く、大工のウデが良くても設備の選択や設備設計が悪ければ光熱費を安くできません。
 
 
じゃあ、どうすればいいのでしょうか?
次回、「光熱費の安い家とは(3)」に続きます。
 


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