「本物の輸入住宅を」。有限会社広岡建設の広岡国船社長はそう話します。アメリカのカントリー、外壁に塗り壁を使った南欧調などいろいろあります。こうしたデザイン性とは別に「住宅の低燃費化」にも精力的に取り組んでいます。
- 広岡国船社長
アメリカやヨーロッパでは、住宅のデザインにも伝統と歴史があり、そうそう新しくなるものではありません。定番となるデザインがあり、100年前も今もほとんど変わりません。なぜなら、ひとことで言うと「かっこいいから」です。100年前の住宅は細部を見ると、今よりも手がかかっていることが多いのです。
ツーバイフォー工法は元々北米で発展した工法ですから、北米のデザインやそのルーツであるヨーロッパのデザインを取り入れることは自然な流れです。たとえば屋根勾配。日本の在来工法では4寸勾配から5寸勾配(約22~27度)のさほど急でない勾配屋根が多いのですが、ツーバイフォーでは7寸勾配や8寸勾配(約35~39度)と急勾配屋根が多いのです。ツーバイフォー工法の住宅を初めて見たとき「かっこいいなあ」と思いました。
こうした輸入住宅を手がけるときは、材料も極力海外のものを使います。たとえば南欧調の住宅の床には「スパニッシュオーク」と呼ばれるスペインの広葉樹を使いますし、北米のカントリー住宅ならパインなど針葉樹を使います。私は「輸入風住宅」を建てたいのではなく、性能もデザインも本物の「輸入住宅」を建てたいと考えています。ただ、日本人が住む以上、3つだけ変えているところがあります。それは玄関で靴を脱ぐ造りにする、お風呂とトイレは日本製品を使うことです。風呂とトイレに関しては日本製品が一番進んでいますし、メンテもしやすいです。
- 事務所建物も輸入住宅
- 外国の邸宅のような住宅
私は営業が大の苦手です。ただ、完成した住宅を現場公開して足を運んでくださるお客さまと意気投合したり、あるいは以前建てたお客さまから「子どもの家を頼む」と話が来ることもあります。3世代にわたって家を建てさせていただいたご家族もあります。長くおつきあいが続くことが非常に嬉しいです。
手づくりのカントリー家具店「ファーマーズ」さんとの出会いも大きいです。現在の地に移転オープンするとき、お店を建てさせていただきました。たいへん人気のあるお店なので、ファーマーズのお客さまが「家具の似合う家を」とご相談にお越しいただくこともあります。今では、当社で建てる家にファーマーズさんの家具はほぼ標準採用しています。
- 南欧風のかわいいデザインも
今から数十年前に初めてツーバイフォー工法の住宅を見た時、「自分が今まで造ってきた家よりもずっとレベルが上だ」と感じました。基本となる構造上のルールがあり、それに沿って間取りも考えるので、構造的にしっかりしたものができる自信があります。また、小屋裏空間には小屋束のような出っ張るものがないためロフトとして広々使うこともできます。
さらに十勝ではウッズ建築設計事務所さんの尽力も大きいと思います。私たちはお客さまと打ち合わせしたプランをウッズさんに持って行って構造的に問題がないかなどのチェックをお願いします。すると、「これではダメだ」とダメ出しされることもありました。ダメなものはダメとはっきり言える関係があったからこそ、ツーバイフォー住宅のルールを各会員工務店が覚え、その結果家の品質が高まってきたと思います。
- 内装から家具やキッチンまで徹底的にこだわる
当社だけでなく協会全体として取り組みたいと考えていますが、住宅性能にもっとこだわりたいです。
十勝2×4協会の会員が建てる家はレベルが高いので、その取り組みを一歩前に進めて「普通の人が買える超高性能住宅」を建てたいと思っています。ほかの地域ではパッシブハウス仕様だから「1坪75万円」という住宅もあるようですが、多くの方が建てられる価格帯にしないと、温室効果ガスの排出削減につながりません。当社では昨年秋に北欧メーカーの熱交換換気や木製サッシを使った超高性能住宅を完成させ、評判となりました。
こうした住宅をPRするため「燃費表示」をしたいな、と思っています。住宅業界では、Q値という数字で断熱性能を表しますが、一般のお客さまにはそれがどんな意味を持つのか理解しづらいと思います。これを「ひと冬の暖房費は何万円です」というように住宅も燃費表示をすれば比べやすいと思うのです。先ほどご紹介した住宅は、50坪の広さで暖房費は年間8万円ほどの計算です。これが国の定める次世代省エネ基準レベルの性能だと16~18万円ほどすると思います。みなさんも家を建てる時は、住宅会社に聞いてみたらいいと思いますよ。後でトラブルになりたくないからどこの会社も慎重に計算し、正直な数字を出してくれると思います。
企業データ | 1960年 創業 1989年 法人化 |
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社内体制 | 社長、従業員4名 ※有資格者 二級建築士、宅地建物取引士、施工管理技士など |
過去の実績 | 過去3年間 7~8棟 |
社名 | 有限会社広岡建設 |
住所 | 〒080-0015 帯広市西5条南24丁目17 |
TEL | 0155-24-7373 |
FAX | 0155-24-7374 |
HP | http://www.hirookakensetsu.co.jp/ |